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矯正治療の再治療について

野村隆之

愛知県豊田市 NICO矯正歯科toyota
日本矯正歯科学会認定医 理事長 野村隆之

DOCTOR PROFILE

矯正治療の再治療は、初回の矯正治療が終了した後、時間の経過や他の要因によって歯列が再び乱れた場合に行われます。

再治療は比較的よくあることで、さまざまな理由で必要になることがあります。

再治療が必要になる主な原因

1. 後戻り(リテーナーの使用不徹底)
 矯正治療後にリテーナー(保定装置)を装着する期間が不十分だと、歯が元の位置に戻ってしまうことがあります。これは「後戻り」と呼ばれ、再治療が必要になる大きな原因です。

2. 加齢による変化
 歯や顎の骨は年齢とともに少しずつ変化します。そのため、時間が経つと少しずつ歯並びが変わり、再矯正が必要になることがあります。

3. 口腔習慣の影響
 舌の癖や歯ぎしり、咬み合わせの問題など、日常の習慣が歯列に影響を与え、歯並びが変化してしまうことがあります。

4. 外傷や事故
 事故などで歯にダメージを受けた場合、歯の位置が変わることがあり、矯正治療が再び必要になることがあります。

5. 矯正治療の不完全な結果
 初回の治療で完全に理想的な結果が得られなかった場合や、治療計画が適切でなかった場合、満足のいく結果を得るために再治療が必要になることがあります。

再治療の選択肢

再治療の方法は、初回の治療の状況や後戻りの程度、患者の年齢や健康状態などによって異なります。

1. 部分矯正
 歯列全体ではなく、乱れた一部の歯だけを矯正する方法。再治療では、軽度な後戻りのケースで適用されることが多いです。

2. マウスピース矯正
 インビザラインなどの透明なマウスピースを使って再治療を行うことができます。歯列の変化が軽度の場合に向いています。

3. 再度のワイヤー矯正
 重大な後戻りや噛み合わせの問題がある場合、再びワイヤー矯正(ブラケット)を用いることがあります。治療期間は通常、最初の治療よりも短くなることが多いです。

4. リテーナーの再使用
 軽度の後戻りであれば、新しいリテーナーを装着することで歯を元の位置に戻すことが可能な場合があります。

再治療の注意点

早期発見と対応:後戻りが軽度であるうちに治療を開始すると、短期間で効果を出すことができます。定期的な歯科検診で早めに問題を発見することが重要です。
治療計画の見直し:再治療では、前回の矯正治療での問題点を考慮し、より適切な治療計画を立てることが大切です。
リテーナーの管理:再治療後は、リテーナーの装着を徹底し、定期的にチェックを受けることが重要です。

費用と時間

再治療の費用は、治療の範囲や使用する装置によって異なります。初回よりも短期間で済む場合が多いですが、後戻りの程度によっては数か月から1年程度の治療が必要な場合もあります。また、費用に関しては、最初の矯正治療よりも割高になることもあるため、再治療を行う前にしっかりと相談しておくことが大切です。

再治療が必要だと感じた場合は、早めに矯正歯科医に相談し、最適な治療方法を検討することをおすすめします。