下顎前突とは？
上下の歯の咬み合わせが通常の場合と逆で、下の歯が上の前歯より前に出ている歯並びのことです。一般的には受け口や反対咬合とも呼ばれています。
原因
骨格が原因の場合(遺伝的要因もあります)
上あごが小さく後ろに下がっている、もしくは、下のあごが大きく前に出ている状態。
歯列が原因の場合
上の前歯が内側に傾斜している、もしくは、下の前歯が外側に傾斜している状態。
日常生活の癖(下あごを前に突き出す癖や、飲み込む時に舌で下の前歯を押す癖など)
下あごを前に突き出す癖や飲み込む時に舌で下の前歯を押す癖などがある場合、その癖を長期にわたって放置してしまうと、下顎前突になりやすくなります。
また、子供は無意識に下あごを前に出して上の前歯と下の前歯で咬もうとする癖もある為、注意が必要です。
口呼吸
口を開けて呼吸をする状態が長期間続くと、口の周りの筋肉や顎の成長に影響を与えてしまい、下顎前突の原因となることがあります。
舌の位置
舌が正しい位置にないと、歯の位置や顎の成長に影響を及ぼす可能性があります。
弊害
前歯が咬み合っていないため、咬む力の分散が不均等になる
食べ物を十分に咀嚼できなくなる可能性があります。
咀嚼時に顎に負担がかかりやすく、顎関節症になりやすいといわれています。
発音がしにくい
特にサ行に影響がでる場合が多く、舌ったらずな喋り方になってしまうことがあります。
また、英語の発音にも影響が出ることがあります。
成長期にさらに悪化する場合がある
身長が伸びる時期と下のあごが伸びる時期がほぼ同じ時期の為、小学校高学年から中学生くらいに下顎前突が顕著になることがあります。
成長スパート前に反対咬合を改善しておかないと、将来手術が必要になる場合があります。
コンプレックスを抱えやすい
下あごが長く目立つことにより、他人が見ても分かりやすい為、コンプレックスに感じる方は少なくありません。
治療
TREATMENT01乳歯と永久歯が混合している場合(主に小学生)
後退している上あごを前方へ誘導させるための、取り外しのできる装置(フェイシャルマスク)を使用することが多いです。
上の前歯が内側へ傾斜している場合は、傾斜を改善するための固定式装置(リンガルアーチ)を使用します。
下顎前突の原因(上あごが小さい、下あごが大きい、歯が傾いている、悪習癖）によって治療法は異なります。
TREATMENT02永久歯が全て生えそろっている場合（中・高校生、成人）
歯の表側にワイヤーを使用するマルチブラケット装置や歯の裏側にワイヤーを使用するリンガルブラケット装置、もしくは透明なマウスピース型の装置を使用します。
悪習癖がある方は改善するためのトレーニングも必要です。
上あごと下あごのバランスが極端に異なる場合や、あごの歪みが強い場合は外科手術の可能性もあります。
