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矯正装置の種類と選び方

野村隆之

愛知県豊田市 NICO矯正歯科toyota
日本矯正歯科学会認定医 理事長 野村隆之

DOCTOR PROFILE

矯正治療を考えている方にとって、さまざまな矯正装置があることは一つの驚きかもしれません。各矯正装置にはそれぞれ特長があり、それにより治療方法や期間、そしてコストが異なります。本ブログでは、代表的な矯正装置の種類について詳しく解説し、それぞれのメリットとデメリット、選び方のポイントについてお伝えします。

1. メタルブラケット

メタルブラケットは最も一般的で、最も広く用いられている矯正装置の一つです。金属製のブラケットを歯に取り付け、それを特殊なワイヤーで繋ぎ、定期的にワイヤーを調整して歯を正しい位置へと動かします。この装置は非常に耐久性があり、複雑な歯列不正にも対応できるため、多くの歯科医師が推奨します。
メタルブラケットの主なメリットとしては、その効果と信頼性が挙げられます。複雑な歯並びの矯正にも対応でき、治療期間が比較的短いと言われています。また、金属素材が安価であるため、他の矯正装置に比べて費用が抑えられる点も大きなポイントです。治療期間は通常約1年半から3年程度で、費用は60万円から100万円程度が一般的です。
一方のデメリットとしては、装置が目立つという点があります。金属製であるため、笑ったり話したりする際に装置が見えやすく、見た目を気にする方には抵抗があるかもしれません。また、金属アレルギーを持つ方は使用できない場合があります。

2. セラミックブラケット

セラミックブラケットは、見た目を気にする方に人気のある選択肢です。金属の代わりにセラミック素材を使用しており、歯の色に近いため装置が目立ちにくいという特徴があります。基本的な治療の仕組みはメタルブラケットと同じで、特殊なワイヤーで歯を動かします。

見た目の面で目立ちにくいという大きなメリットがあります。特に仕事や学校で装置が気になる方にとっては、心理的な負担が軽減されます。治療期間はメタルブラケットとあまり変わらず、約1年半から3年程度です。ただし、セラミックブラケットの方が素材費用が高いため、治療費用は80万円から120万円程度になります。

デメリットとしては、セラミック素材が金属に比べて割れやすいという点が挙げられます。また、メンテナンスにもやや手間がかかる場合があります。金属ブラケットに比べて素材自体が厚くなることがあるので、初めて取り付ける時に多少の不快感を覚えることもあるでしょう。

3. 裏側矯正(リンガルブラケット)

裏側矯正(リンガルブラケット)は、歯の裏側に装置を取り付ける方法です。このため、外見上はほとんど装置が見えません。この点が特に大変優れており、誰にも気付かれることなく歯列矯正を進めたい方にとても人気があります。

大きなメリットとしては、装置が見えないため、特に成人やビジネスシーンでの見た目を気にする方にとって非常に適しています。治療期間は通常2年から3年程度と他の装置と比較しても変わりません。ただし、最初の数週間は装置が舌に触れるため、話しにくかったり軽い舌の痛みを感じたりすることがあります。費用は高めで、通常100万円から150万円程度になります。

デメリットとしてはコストが高い点と、装置のメンテナンスや調整が難しめである点が挙げられます。また、食事や歯磨きの際に多少の不便を感じることがあるかもしれません。

4. マウスピース型矯正

マウスピース型矯正(インビザラインなど)は、取り外し可能な透明な矯正装置です。このため、装置を付けていることがほとんど目立ちません。また、食事や歯磨きの際に取り外せるという利便性があります。この点が特に非常に優れており、快適な生活を維持しながら矯正治療を進めることが可能です。

メリットとしては、透明で目立たないため見た目の心配が少ないこと、取り外しが可能で洗浄や食事がしやすいことが挙げられます。費用は80万円から100万円程度が一般的です。

しかし、デメリットとしては、取り外し可能であるため紛失のリスクがある点や、適切に使用しないと効果が出にくいという点があります。また、複雑な歯列不正の場合には対応できない場合もあるため、歯科医師と十分に相談することが重要です。

まとめ

今回は、さまざまな矯正装置について詳しくご紹介しました。それぞれの装置には特長がありますので、患者さんのニーズや生活習慣、予算などを考慮しながら最適な装置を選ぶことが重要です。また、歯科医師とよく相談し、自分に合った矯正治療方法を見つけることができれば、より快適で効果的な治療が可能になります。矯正治療を考えている方は、ぜひ一度カウンセリングを受け、最適な治療方法について相談してみてください。